この記事では、うつの重症度を診断するのに最もよく使われているQIDS-Jの使い方について詳しく解説します。
QIDS-Jの概要
QIDS-Jは、精神疾患の基準であるDSM-5により、主な9つの症状を評価して、うつ病の重症度を、27段階に評価する手法です。-Jは、日本語版ということです。
重症度が高いほうが、より重症ということになります。
9つの症状
うつ重症度を、以下の9つの内容で評価していきます。
- 抑うつ気分
- 興味・喜びの喪失
- 体重の変化(減少または増加)
- 睡眠障害(不眠または過眠)
- 精神運動の変化(焦燥または制止)
- 疲労感や活力の低下
- 自責感や無価値観
- 集中力や思考力の低下
- 自殺念慮
診断の仕方
QIDS-Jには自分で評価する方法と医師が確認しながら評価する方法の2種類があります。
自己記入式(QIDS-SR-J)の診断の仕方
うつ重症度を知りたい人が、質問票に記入する形式で、16の質問に対してそれぞれ、4つの答えから1つ選んだ結果を集計してうつ重症度が算定されます。
臨床評価版(QIDS-C-J)の診断の仕方
同じ16質問を、医者などの専門家が、患者の様子、質問の答えなどから判断し、入力し、その結果を集計してうつ重症度が算定されます。
診断結果について
重症度
- 0-5 うつなし
- 6-10 軽度のうつ
- 11-15 中等度のうつ
- 16-20 重度のうつ
- 21-27 極めて重度のうつ
診断によってわかること
上に書いたように、うつの重症度を、うつなし、軽度のうつ、中等度のうつ、重度のうつ、極めて重度のうつの5段階のどのレベルかを知ることが出来ます。
当所のクライエントの治療前の診断状況は、うつなし 3%、軽度 10%、中等度 34%、重度 28% 、極めて重度 24%です。
また、この診断結果は、うつ重症度を0~27点までの数字で分かりますので、この簡単な診断を定期的に行うことで、病院や、カウンセリングなどにより症状が以前の状況がわかります。
うつ重症度の数字が、向上していくのを確認することで、治すための治療へのモチベーションを維持することが出来ます。
さらに、具体的な数値でもわかりますので、うつ症状の重さを数字で、その変化を知ることが出来ます。
患者が自分の症状を振り返ることができる。
まとめ
QIDS-Jは、簡便かつ信頼性の高いうつ病の重症度評価ツールです。
自己記入式と臨床評価版の2種類があり、診療や研究の現場で幅広く活用されています。
うつ病の兆候を早期に把握し、適切な治療へとつなげるために、QIDS-Jを上手に活用しましょう。
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